マイクロプログラムと永久記憶装置の開発
FACOM-222用の大容量の磁心記憶装置の開発の合間に別のことをやりました。
記憶装置を設計して設計図を完成するとそれから製造するのですが、製造図面を作って工場で製造されるまで半年程の時間がかかりました。
このとき研究したのが、マイクロプログラミングと永久記憶装置(ROM)です。
マイクロプログラミングは、イギリスのケンブリッジ大学のWilkes 教授が提唱したものでイギリスの伝統があります。
後になって、IBM360には積極的につかわれました。
いまでは、LSIを使用したマイクロプロセッサの内部は、マイクロプログラムによっており、現在のコンピュータの主流になっています。
当時はマイクロプログラムもROMもまだ、あまり脚光をあびていませんでした。
コアを用いた永久記憶装置という学会にだした論文です。
リニアなリングコアに線を通すか通さないかで、情報を蓄える方式です。
これを使い、簡単なモデル計算機を作りました。
これは学会誌に掲載された論文です。
資格は准員になっています。学会では学生は学生員、卒業すると2年間は准員で、3年目から正員になります。
学会誌の論文で、准員の論文は珍しかったと思います。
「永久記憶を使用したモデル計算機」という論文で、電気通信学会誌 昭和37年(1962)3月号に載りました。
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この永久記憶装置は、製品化して、コードコンバーターと、自動制御用の専用計算機のプログラム用に使われました。
コードコンバータは通常全部論理回路で組んでいました。しかし、ちょっとしたコードの変更でも
論理回路で組んでいると変更が大変でした。
ROMだと、対応するアドレスの情報を変更するだけなので設計も変更も非常に簡単でした。
マイクロプラミングの方式はあとで実際に使いました。
電電公社向けの大型コンピュータDIPS-1 の 演算制御には、メッキ線を用いたROMを使ったものを実用化しました。
メッキ線の非破壊読み出しを利用したROMです。
また、M-160では、ICメモリをROMとして使い、CPUを全部マイクロプログラムで制御しました。